【解答例あり】小論文の超基本!「3部構成」の書き方を徹底解説
- 小論文を感覚で書いている。
- 小論文の書き方がいまいち分かっていない。
- 小論文の解答例を見て勉強したい。
この記事では、小論文の基本となる「構成のつくり方」についてなるべく分かりやすく説明します。
小論文が苦手なあなたも、合格できる答案を一緒に仕上げていきましょう。
小論文の超基本!3部構成をマスターしよう
何度も小論文を書いているのに、なかなか上達しないんです。
上手に書けるようになるコツはありませんか?
この記事を読んで「小論文の構成」を理解すれば、書けるようになりますよ。
小論文は骨組みがないと書けない⁈
とりあえず小論文対策を始めてみたんですが、なかなか上達しないんです。
あなたもこんな経験をしたことはありませんか?
それもそのはず。きちんとした小論文を完成させるには「骨組み」が必要だからです。
つまり、これまで何度やっても小論文っぽい文章が書けなかったという人は、この骨組みがなかったことに原因があります。
でも慌てる必要はありません。
これから説明する骨組みを意識することで、論理的な文章が書けるようになりますよ。
骨組みの正体とは?
じんまる先生、小論文の骨組みと言われてもピンとこないのですが・・・
そうですよね。まずはそこから説明していきましょう。
結論から言うと、骨組みの正体は文章の「構成」です。
文章を書く順番と言ってもいいでしょう。
どのような順番で書くのかによって、文章の読みやすさが大きく変わります。
小論文は自分の意見を読み手に納得させる文章なので、この構成がとても重要なんです。
小論文の基本「3つの構成」
次に、構成の基本について勉強しておきましょう。
小論文の構成は、基本的に3つに分かれます。
聞いたことがある人もいるかと思いますが、文章のはじめから順番に「序論」「本論」「結論」と呼ばれています。
それぞれのパートには役割があるので、順番どおりに書けば伝わりやすい文章になるというわけですね。
各パートの役割は以下のとおりです。
- 文章の導入「序論」
- 話を展開させる「本論」
- 文章のまとめ「結論」
この流れを守って書くだけで、小論文のレベルが格段と上がります。
ただ思いつくままに書いていても、まとまりのない文章となり自分の主張をきちんと伝えることができません。
そして残念ながら、そのような答案では合格がどんどん遠ざかってしまいます。
たしかに、今までなんとなく書いていた気がします。
小論文の3部構成をしっかり身に付けて、合格できる答案を書けるようになりましょう。
序論・本論・結論の3部構成で書こう
構成の重要性について、なんとなくお分かりいただけましたか?
ここからは、序論・本論・結論それぞれの書き方について詳しく説明していきますね。
1)序論(自分の主張)
とにかく主張を明確にする
序論の目的は「自分の主張」を明確にすることです。
このパートでは、小論文の軸となるテーマを設定し、それに対する自分の意見を簡単にまとめていきましょう。
小論文は序論で決めた内容をもとに書き進めていくので、ここをどのように書くのかによって方向性が大きく変わります。
そう考えると、序論がはっきりしていないと文章がブレてしまうというのも納得ですよね。
だからこそ、きちんと問題提起をしたうえで、自分の主張や意見をはっきり述べることが重要となります。
じんまる先生、自分の意見に自信が持てません・・・。
あいまいな答えは減点のもとです。勇気を出して言い切るようにしましょう。
序論での差別化は不要
ただし、ここで勘違いして欲しくないのが、必ずしも「意見=持論」である必要はないということです。
たまに「他の人とは違ったアイデアをひねり出さなければいけない」と思っている人がいるのですが、実はそんな必要はありません。
極端な話ですが、自分の主張は一般論でも問題ないですよ。
出題する側は、あなたのアイデアを聞くために小論文を課しているわけではありません。
解答の差別化を図るなら、後ほど説明する本論のなかで「根拠」や「具体例」を工夫するようにしましょう。
意見と感想はまったく別物
そして、次に気をつけて欲しいのが「意見」と「感想」の違いです。
感想というのは、「その人から見た主観的な文章」です。
つまり、感想を書いてしまうとただの作文になってしまいます。
一方で小論文は、客観的な文章を書かなくてはいけません。
そのためには、誰もが納得できるような意見が必要というわけです。
「意見」と「感想」をはき違えてしまうと大きな減点となってしまいます。
主観的とか客観的とか、なんだか難しいですね・・・
では、感想と意見の違いを具体的に見てみましょう。
≪感想と意見の違い≫
<感想>
私は毎朝バナナを食べたい。なぜなら大好きだからだ。
<意見>
バナナには消化酵素のアミラーゼが含まれており、消化しやすいので胃腸に負担がかからない。そのため朝食に最適だ。
2)本論(根拠)
裏付け資料で説得力アップ
本論は、序論で述べた自分の主張を裏付けしていくパートになります。
そのため、読み手を納得させるための「理由」「根拠」「証拠」「具体例」「考察」などを用いて文章を展開していきましょう。
たとえば、公的機関が出しているデータや統計を示すことで、説得力が大幅に上がります。
また、自分自身の実体験をもとに説明することも効果的です。
データの細かい数字まで覚えていないとダメですか?
重要な部分だけ押さえておけば問題ありません。無理せずできる範囲で盛り込むようにしましょう。
反論を示して正当化する
また、あえて反対意見を取り入れることで、自分の主張と比較しながら正当化していく方法もあります。
簡単に説明すると、「たしかにその意見も一理あるけど、こっちの意見の方がいいよね。」というイメージです。
はじめは共感するように見せつつ、足りない部分を指摘して意見をひっくり返します。
「たしかに、~という考えもある。しかし、~」という書き方で、本論を展開していきましょう。
本論を分割するのもアリ
また、本論に使う理由や根拠をひとつに絞る必要はありません。
たとえば、問題の文字数制限が800字~1000字だった場合、根拠や具体例がひとつしかないと既定の文字数に届かないということがあります。
そうなると元も子もないので、根拠を2、3個用意してから書き進めて行きましょう。
多めに準備しておいて後から削っていく方が書きやすいと思います。
ただし、書いてるうちに事例が混同してしまう生徒が多いため、「今は何の話をしているのか」を明確にするように気をつけましょう。
3)結論(まとめ)
結論はとにかく簡潔に書く
結論では、最後のまとめとしてもう一度自分の主張を述べます。
ここでのポイントは、ダラダラと書かず簡潔にまとめることです。
また、結論は序論や本論に比べて重要性が低いので、なるべく時間をかけずに書くようにしてください。
あからさまな文字数稼ぎは簡単に見抜かれるので要注意ですよ。
序論と結論はイコールに
高校生の指導をしていると、本論を書き進めるうちに序論と結論の主張がズレていることがあります。
なかでもよく見かけるのが、最後に新しい話題を付け足してしまうケースです。
書いているうちに感情が高まり、つい書き足してしまう気持ちも分かります。
しかしそこをグッとこらえて、それまでの文章をまとめることに徹しましょう。
なお、自分の主張(序論)と同じ意味であれば、違う言い回しで記述しても問題ありません。
書き終わったら必ず見直すクセを付けましょう。特に練習中は声に出して読み直すようにしてください。
解答例をチェックしよう!
ここまでお読みいただきありがとうございます。
それでは最後に、この記事で説明した内容を踏まえて解答例を見てみましょう。
≪例題≫
成人年齢が18歳に引き下げられたことについて、あなたの意見を400字以内で述べなさい。
<序論>
私は、成人年齢が18歳へ引き下げられたことに賛成だ。なぜなら、若者の積極的な社会参加を促すきっかけになるからである。
<本論>
日本の場合、18歳の多くはまだ高校生だ。そのため、社会経験が不足している、経済的に自立していないなど、成人と呼ぶにはまだ早いという意見もあるだろう。しかし、成人を迎えて自由と責任を負う立場になるからこそ、自覚が芽生えるのではないだろうか。
法務省が説明しているように、若者の自己決定権を尊重することは、積極的な社会参加を促すことに繋がると考えられる。少子高齢化が進んでいる日本だからこそ、若者の社会参加を早めることには大きな意味があるのだ。また、世界的に見ても成人年齢を18歳と定めることが主流となっており、これはごく自然な流れだと言える。
<結論>
以上のことから、私は成人年齢が18歳へ引き下げられたことに賛成する。
(361字/原稿用紙:20文字×19行)
小論文の3部構成まとめ
小論文の3部構成について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これまでお伝えしたように、序論・本論・結論の3部構成を意識することで、自分の主張を論理的に伝える文章が書けるようになります。
そういえば、序論・本論・結論は、それぞれどのくらいの比率で書いたら良いんですか?
目安としては、序論2割、本論7割、結論1割くらいの比率で書くようにしましょう。
1)序論で「自分の主張」を明確にする
2)本論で「客観性」を持たせる
3)結論で「自分の主張」を簡潔にまとめる
小論文は、とにかく何度も書くことが上達への近道です。
ぜひこの記事を参考にして、繰り返し練習してみてくださいね。
何度も見返すことができるように、ブックマークしておくことをおすすめします!
\役に立ったらシェアしてください!/