ゼロからわかる!看護医療系小論文のコツと出題パターン

- 看護医療系の学部をめざす高校生
- 小論文の勉強を何から始めればよいか迷っている人
- 総合型選抜や学校推薦型選抜で合格点を取りたい人
この記事では、「看護医療系学部の小論文対策」についてなるべく分かりやすく説明します。
小論文でより高い点数を取りたい高校生は、この記事で一緒に勉強していきましょう。
看護医療系学部の小論文を攻略しよう

医療系の学部ではどんなテーマが出題されるんですか?

看護学部の小論文対策で必須のポイントを知りたいです。

この記事を読んで「看護医療系学部の小論文対策」について理解すれば、合格レベルの小論文を書けるようになりますよ。
医療系小論文ってどんな問題が出るの?
医療系学部の小論文では、現場の現状や課題がテーマになります。
高齢化や医療費の増加、チーム医療に加えて、AI診断や遠隔診療など、新しい技術についても出題されるようになりました。
それらの問題をどれだけ理解しているか、自分の考えを論理的に伝えられるかなどが評価されます。

ここからは、3つの頻出テーマについて解説していきましょう。
① 社会問題・医療倫理のテーマ
医療系小論文の中でも特に頻出なのが、「社会問題」や「医療倫理」に関するテーマです。
医療現場では、生命の尊厳や人権の尊重、医療資源の公平な分配など、倫理的な課題が常に存在しています。
そのため、受験生には医療者としての視点を持ちつつ、社会的な問題にも目を向ける力が求められます。
例えば、高齢化社会にともなう医療費の増大や介護負担の増加が問題視されていますよね。
このようなテーマの場合、医療従事者としての立場から、高齢者医療の課題や持続可能な医療システムの提案を求められることが多いです。
また、終末期医療や安楽死の是非についても頻繁に出題されるため、生命倫理に関する基本的な知識を押さえておくといいでしょう。
- 高齢化社会における医療の課題について論じなさい。
- 終末期医療において患者の意思を尊重することの重要性について述べなさい。
② 医療現場&看護師の役割
医療系小論文では、現場の視点から「看護師の役割」や「医療チームの連携」に関する問題もよく出題されます。
特に看護師志望の受験生に対しては、患者とのコミュニケーションや信頼関係の構築、さらに医療事故の防止策などについての考察が求められるでしょう。
例えば、「患者のプライバシー保護と情報共有のバランス」をテーマにした問題で考えてみましょう。
この場合、看護師が守秘義務を果たしつつ、医療チーム内での情報共有を円滑に行う方法について具体的に論じる必要があります。
また、「終末期患者との接し方」に関するテーマの場合、患者やその家族の心理的なサポートを含めた看護師の役割について詳しく述べることになるでしょう。
さらに、近年注目されているのが「バーンアウト(燃え尽き症候群)」の問題です。
看護師の労働環境の厳しさや精神的なストレスへの対策として、職場環境の改善やメンタルヘルスサポートについての提案も重要なテーマとなっています。
- 看護師が終末期患者と接する際に留意すべき点を述べなさい。
- 医療事故防止における看護師の役割について考察しなさい。
③ 最新医療技術やAIの活用
近年、AI(人工知能)やロボット技術、遠隔医療など、医療現場における最新技術の活用が注目されています。
AIの活用による診断精度の向上や医療従事者の負担軽減、さらには手術支援ロボットによる医療の高度化など、その話題は多岐にわたります。
例えば、「AIによる診断と人間の判断力のバランス」についての問題では、技術革新のメリットだけでなく、患者のプライバシー保護や医療従事者の役割の変化についても考察する必要があるでしょう。
さらに、遠隔医療については、地方医療の充実や災害時の医療支援という観点からも論じることができます。
これらのテーマに対応するためには、最新の医療ニュースや技術トレンドに常にアンテナを張っておくことが大切です。
- AI技術の発展が医療現場に与える影響について論じなさい。
- 遠隔医療の普及によって期待される医療格差の是正について考察しなさい。
「序論→本論→結論」の3ステップで書こう
医療系小論文を書くときは、「序論・本論・結論」という三つの段落をしっかり意識すると、読み手にとって分かりやすく説得力のある文章になります。
とくに看護・医療系の入試では、「課題をさまざまな角度から捉え、具体的な対策を示せるか」が評価のポイントです。
それを分かりやすく伝えるためには、基本の構成に沿って書くことが重要だということですね。

「高齢化社会における医療の課題」 という問題を例に解説していきましょう。
序論:まず課題と自分の考えを示す
序論では、自分の主張を明確にすることが重要です。
小論文の軸となるテーマを設定し、それに対する自分の意見を簡単にまとめていきましょう。
それから「私はこう考える」という立場をはっきり書くと、本文の流れをつかみやすくなりますよ。
<序論の例>
日本では高齢化が進み、2025年には65歳以上の人が全人口の約3割を占めると言われている。医師不足や在宅医療の体制が十分ではない地域も多く、このままでは住む場所によって医療の質に差が生じてしまう。こうした課題を解決するには、地域包括ケアの充実させることが大切だと考える。

序論は全体の2割程度に収めて簡潔に書きましょう。
本論:問題を深掘り→解決策を提案
本論では、自分の意見に対する理由や根拠を書きます。
読み手を納得させるための「理由」「根拠」「証拠」「具体例」などを用いて、文章を展開していきましょう。
たとえば、公的機関が出しているデータや統計を示すことで、説得力が大幅に上がります。
また、課題分析と解決策で段落を分けると、文章にメリハリがつきますよ。
<本論の例>
まず、医療従事者が都市部に集中し、地方では医師や看護師が足りないという問題がある。厚生労働省の調査では、人口10万人あたりの医師数が都市部では350人を超える一方、過疎地域では200人を切る県もあることが分かった。また、在宅医療を支える訪問看護ステーションも不足している。それにより高齢患者の入院が長引き、医療費が増える原因にもなっているのだ。
こうした問題を解決するには、自治体が中心となって多職種の連携チームを作る必要がある。医療・看護・介護のサービスを一体的に提供できる仕組みが欠かせない。さらに、オンライン診療やAIを使った見守りサービスを導入すれば、専門医が遠隔で助言できる。そうすることで、地域間の医療格差を縮小できるだろう。

本論は7~8割使っていいので、なるべく具体的に書きましょう。
結論:ポイントのまとめ
結論では、最後のまとめとしてもう一度自分の主張を述べます。
ここでのポイントは、ダラダラと書かず簡潔にまとめることです。
あからさまな文字数稼ぎは簡単に見抜かれるので、やらないようにしましょう。
<結論の例>
高齢化が進む日本で質の高い医療を保つには、地域包括ケアの強化とICTを活用した遠隔医療の推進が不可欠だ。これらを実現できれば、どこに住んでいても安心して医療を受けられる社会を実現できると考える。

結論は全体の1割程度ですっきりまとめましょう。
データと具体例で説得力アップ!
医療系小論文では、「根拠のある数字」と「イメージしやすい具体例」を組み合わせることで、文章の信頼性と説得力が向上します。
先ほど紹介した例文で見てみると、以下の部分ですね。
- 日本では高齢化が進み、2025年には65歳以上の人が全人口の約3割を占めると言われている。
- 厚生労働省の調査では、人口10万人あたりの医師数が都市部では350人を超える一方、過疎地域では200人を切る県もあることが分かった。
小論文でこのようなデータを使えるようになるには、普段からコツコツ情報収集をするしかありません。
新聞やネットニュースなどを活用して、ネタを集めておきましょう。
情報を調べるときは、以下のポイントを抑えておくといいですよ。
チェックポイント | 使える情報源(例) | |
---|---|---|
① 公的 or 専門機関 | 出典がはっきり書けるか | 厚生労働省・総務省統計局・WHO・OECD |
② 最新(3〜5年以内) | 調査年が古すぎないか | 白書の最新版/最新ニュース |
③ 単位と対象が明確 | 「%」「人」「件」などを明示 | 報告書のグラフ・表 |

情報収集のコツについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。



医療系小論文の練習問題にチャレンジしよう!
それでは最後に、練習問題に挑戦してみましょう。
先ほどお伝えした「序論・本論・結論」の基本構成を意識して書いてみてください。
高齢者が多い地域で大規模地震が起きたとき、看護師としてどのような課題が想定されるか。普段からの備えにも触れながら、解決策を800字以内で論じなさい。
チーム医療における看護師の役割について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。
近年、介護現場で AI 搭載のロボットが導入され始めています。 将来、看護師や介護職がロボットと協力して働くことは当たり前になるかもしれません。 あなたが考える、未来の看護師として身につけるべき知識やスキルを、800字以内で書きなさい。

調べながらでもいいので、書いてみることが合格への近道です!
これらの問題の模範解答とポイント解説を、公式noteで公開しています。
気になる方は、以下のリンクからぜひチェックしてください。



看護医療系学部の対策まとめ
「看護医療系学部の小論文対策」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
看護医療系の学部では、社会問題や医療従事者の役割、医療現場の最新情報など、取り上げられるテーマが広範囲にわたります。
普段からコツコツと情報収集をして、自分なりの意見をしっかり書けるように練習していきましょう。
- 出題パターンや頻出テーマを知る
- 序論→本論→結論の書き方をマスターする
- 練習問題を繰り返し解く
小論文は、とにかく何度も書くことが上達へのいちばんの近道です。
この記事を参考にして、繰り返し対策してみてくださいね。
何度も見返すことができるように、ブックマークをおすすめします!







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